主な外部資金・受託・寄附研究先
(過去5年)

経済産業省革新的新構造材料等技術開発 経済産業省革新的新構造材料等技術開発採択決定HP

新構造材料技術研究組合HP

経済産業省三次元造形技術を核としたものづくり革命プログラム(次世代型産業用3Dプリンタ技術開発及び超精密三次元造形システム技術開発) 経済産業省三次元造形技術を核としたものづくり革命プログラム採択決定HP

技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構HP

日本学術振興会科学研究費助成事業 科研費HP

公益財団法人JKA機械工業振興補助事業 競輪・オートレース補助事業HP 競輪HP

公益財団法人天田財団一般研究開発助成 天田財団HP

1~3年生(学内サイト)

サンプルアイチャッチ

研究概要

近畿大学工学部機械工学科生産加工学研究室で取り組んでいる研究内容の概要として,最新の卒業研究等のテーマを紹介しています.今年度は以下のような研究に取り組む予定です.

令和7年度 卒業研究(仮)

  1. 摩擦攪拌点接合による異材接合に関する研究
  2. 異種材料の接合に対する要求が高まっているが,従来の点接合では未解決な問題も多く,様々な接合方法が提案されてきている.接合方法には大別すると機械的接合および冶金的接合があるが,それぞれに長所と短所がある.そこで,固相接合法である摩擦攪拌接合の特徴を活かし,ツールを変更するだけで機械的に接合した後に摩擦攪拌接合を行う点接合プロセス条件の,これまでの条件探索を踏まえた最適条件により作製された継手強度,継手組織に関する研究を行う.
  3. CFRP/金属の異材接合に関する研究
  4. 異種材料の接合に対する要求が高まっているが,その中でも,軽量で高強度のCFRPを金属と接合するマルチマテリアル化が注目されている.その際,CFRPを金属に直接接合する場合では,本来的な接合機構が明確でない上に,融点差があまりにも大きく,最適接合条件が判別しにくい.そこで,最も基本的な接合状態における接合条件の探索および接合状態の調査に関する研究を行う.
  5. 摩擦攪拌接合ツールの摩耗に関する研究
  6. 摩擦攪拌接合ツールの摩耗は生産工程において重要であるが,現在は経験的に取り扱われているのが実情である.そのため,加速摩耗試験を用いて摩擦攪拌接合ツールの寿命試験を行い,寿命予測の可否を検証するとともに,実際に摩耗したツールを用いて作製した摩擦攪拌接合接手の強度および塑性流動状態に注目して継手特性の調査に関する研究を行う.
  7. 鉄鋼材料の切削性の不規則さ解明に関する研究
  8. 従来から,炭素鋼粗削り時のばらつきが大きいとの指摘が現場的になされており,その原因については黒皮の存在や偏心が指摘されているものの,特定には至っていない.そのため,切削時のばらつき要因としてこれらの原因に注目し,偏心量が切削性におよぼす影響および黒皮付きの実材料の切削性を調査しながら,偏心のない黒皮材を模擬したモデル被膜材の切削性を調査することにより,切削性のばらつき要因解析に関する研究を行う.

最近の主な研究成果

摩擦攪拌技術を用いた機械的・冶金的ハイブリッド点接合法の開発に関する研究(公益財団法人JKA2022-2023年度機械工業振興補助事業)

    研究目的

    本研究は,摩擦攪拌接合技術を用いて機械的接合と冶金的接合を組み合わせた広範な異材に対応する接合法を確立するため,全く異なる材料組み合わせの非鉄/非鉄および非鉄/樹脂接合の最適化手法を見いだすことにより有効性を検証することを目的とする.

    実施内容

    摩擦攪拌技術を用いた機械的・冶金的ハイブリッド点接合法は,様々な材料組み合わせに対応できる異材接合法であると考えられるため,非鉄/非鉄および非鉄/樹脂の組み合わせの適用について検討した.まず,非鉄/非鉄の組み合わせとして,アルミニウム合金/純チタンを検討した.その際には,材料界面の表面処理が重要であると考え,ブラストによる表面処理を施した材料も用いて継手を作製し,強度試験を行った.摩擦攪拌技術を用いた機械的・冶金的ハイブリッド点接合法により作製された重ね合わせ継手の引張せん断試験結果は,ブラスト処理の有無で比較すると,ブラスト処理ありの場合,条件によってはブラスト処理なしの場合と比較して約1.5倍であった.これらのことから,ブラスト処理は引張せん断強さの向上に対して有効であり,第二工程での圧接過程が重要であることが明らかとなった.また,その際の界面状態は,ブラストの有無に関わらず密着しているが,ブラストありの場合がブラストなしの場合と比較して,界面が凹凸化していることが明確であり,ブラスト処理がアンカー効果として働き,継手強度向上に寄与したと示唆される.ただ,分析元素であるAlおよびTiの界面近傍における分布から,ブラスト処理の有無および形成した突起部におけるアルミニウム合金/純チタン界面で相互拡散はしていないことが確認された.次に,非鉄/樹脂の組み合わせとして,アルミニウム合金/CFRPを検討した.その際には,材料間の融点差が大きく,接合時の材料界面温度が重要であると考え,その温度測定を行った.本研究では,冶金的接合時での接合条件が界面温度におよぼす影響を調査した.その結果,ツール圧入量を変化させた場合,ツール圧入量の増加にともなう温度上昇は極めて限定的であった.一方,保持時間を変化させた場合,保持時間の増加にともなう温度上昇は顕著であり,界面温度の制御にはツール圧入量よりも保持時間が顕著な影響をおよぼすことが明らかになった.界面温度測定結果から良好と考えられた条件で,各種の界面処理も行い,機械的・冶金的ハイブリッド点接合法で作製した継手の強度試験結果から,引張せん断試験において,ブラスト処理やシランカップリング処理を行った場合,若干,継手強度が上昇していた.界面処理の影響が大きいのは冶金的接合時であると考えられるため,界面処理を行うと,冶金的接合強度は,若干,上昇する程度であり,本接合法において作製された継手の主たる強度は機械的接合によっていると考えられることが明らかとなった.

    取得物件

    3D形状測定器用測定機能拡張モジュール測定機能拡張モジュール(3D形状測定器用)

    成果発表

    本研究に関連する成果発表は以下の通り.(2024年4月末現在)
    1. 2023年度溶接学会秋季全国大会にて講演発表
    2. 塑性流動を用いたリベット型摩擦攪拌点接合による異材接合,2023年度溶接学会秋季全国大会(富山),全国大会講演概要第113集,pp.310-311
    3. 2023年度溶接学会春季全国大会にて講演発表
    4. 塑性流動を用いたリベット型摩擦攪拌点接合,2023年度溶接学会春季全国大会(Web),全国大会講演概要第112集,pp.96-97


    この研究は,競輪の補助(2022M-282)を受けて実施しました.
    https://www.jka-cycle.jp

摩擦攪拌プロセスによる改質部の切削性および難削性発現機構(科学研究費 基盤研究(C)令和元-3年度)

    研究目的

    本研究は,摩擦攪拌プロセスによって表面改質を行った材料について,仕上げ切削時における改質組織と表面粗さとの関係に着目し,改質材料の特性が切削性におよぼす影響を明らかにすることを目的とする..

    実施内容

    FSPを行った材料表面切削中の切削抵抗や切削後の表面性状に着目し,FSPによる単純な攪拌での改質部と硬質粉末材料を分散させた改質部とを比較検討した.その結果,FSPによる単純な攪拌での改質部において,FSP条件によらず切削抵抗は同様で,切削性に大きな影響を及ぼさないことが明らかとなった.また,切削後の表面粗さ測定結果から,FSP領域の部位によって粗さが変化し,切削方向の違いでも変化があったことから,表面性状についてはFSP領域の部位ごとに切削性の変化があることが明らかとなった.一方,硬質粉末材料を分散させた改質部において,前述したFSPによる単純な攪拌での改質部と比較した結果,切削条件を変化させても切削抵抗は同等もしくは若干の変化にとどまることが明らかとなった.さらに,切削後の表面粗さ測定結果から,適する切削条件においては,FSPの有無による表面粗さの変化も若干程度にとどまることが明らかとなった.これらのことから,FSPによる表面改質部の切削性は基地部の影響が大きく作用するため,基地部自体の特性を大きく変化させない限り,あまり影響を受けないことが明らかとなった.

    取得物件

    切削動力計(フライス盤用)切削動力計(フライス盤用)

    成果発表

    本研究に関連する成果発表は以下の通り.(令和4年3月末現在)
    1. 2020年度精密工学会秋季大会学術講演会にて講演発表
    2. 摩擦攪拌プロセス表面切削の特徴,2020年度精密工学会秋季大会学術講演会(Web),学術講演概要論文集,pp.233
    3. 2021年度精密工学会秋季大会学術講演会にて講演発表
    4. 摩擦攪拌プロセスにより粒子分散強化された表面の切削の特徴,2021年度精密工学会秋季大会学術講演会(Web),学術講演概要論文集,pp.218


    本研究はJSPS科研費 19K04134の助成を受けたものです.

摩擦撹拌技術と鋳造技術を組み合わせた補修・接合法の開発に関する研究(公益財団法人JKA令和元-2年度機械工業振興補助事業)

    研究目的

    本研究は,摩擦攪拌プロセスと鋳造プロセスとを利用した鋳造材の補修技術および厚板接合技術を確立するため,注湯条件および攪拌プロセス条件の関連を明らかにすることにより,本法における攪拌状態の最適化手法を見いだすことを目的とする.

    実施内容

    本研究の基礎的な調査として模擬的な体積欠損部に鋳造を行い,摩擦攪拌プロセスを用いて改質・一体化させた場合,まず,鋳造しただけでは多くのブローホールが発生することが明らかとなった.しかしながら,摩擦攪拌プロセスを行うとこれらの欠陥はほぼ完全に消失させることが可能で,鋳造部と母材部も一体化可能あることがわかった.また,この時の改質部は,機械的特性も大きく向上していることが明らかとなった.これは,単に鋳造した場合と比較して,摩擦攪拌プロセスにより改質部の組織が均一な微細組織となり,硬さが若干低下することにより伸びが改善したための結果と考えられる.このような効果が得られる最適な摩擦攪拌プロセス条件について検討したところ,ツールの回転方向と進行方向とが一致するか否かで攪拌特性が異なる摩擦攪拌プロセスでは,鋳造部と母材部で材料特性が異なる.そのため,その違いが顕著になることにより,攪拌部に欠陥が発生する場合があることを明らかにし,摩擦攪拌プロセスの施工方向と材料の配置との関係が欠陥発生に重要であることを明らかにした.加えて,本手法の発展的手法としての厚板接合への適用について検討した結果,鋳造と摩擦攪拌プロセスを繰り返して厚板接合を行い,通常の摩擦攪拌接合では達成不可能な板厚の材料接合に成功した.この場合,多パス化による熱履歴の影響が懸念されるが,接合部の引張強度に若干の低下がみられるものの,伸びの改善には効果がみられ,本手法の有効性について十分な可能性があることが実証された.

    取得物件

    光ファイバ温度計(高温型)光ファイバ温度計(高温型)
    光ファイバ温度計(低温型)光ファイバ温度計(低温型)

    予想される実施効果

    本研究で着目した手法は,補修方法として一般的な肉盛り溶接が困難なアルミニウム合金鋳物の問題を解決する一つを示したものである.また,発展的に,厚板接合が困難な摩擦攪拌接合の問題を解決する手法の一つを示したものでもある.これらのことは,特別な機器等を用いることなく,摩擦攪拌接合が可能であればいずれも実施可能であるなど,一般化が可能な点に優れる.本研究の結果から,提案した手法の有効性を示すことはできたものの,直ちに産業界で適用できるとは思われないが,これまでに有効な解決方法がない中で,一般化が可能な機器等のみを用いて解決方法を示したことの意義は大きい.今後,本研究成果を基に特許申請などの権利化も視野に,生産加工分野への適用を図っていく予定であり,将来の実用化に向けて基礎的な知見となる可能性が極めて高いと思われる.

    成果発表

    本研究に関連する成果発表は以下の通り.(令和4年3月末現在)
    1. 近畿大学工学部研究公開フォーラム2019にて成果をパネル発表
    2. 展示パネルはこちら
    3. 日本鋳造工学会第176回全国講演大会にて講演発表
    4. 鋳造と摩擦攪拌プロセスを組み合わせた肉盛方法,日本鋳造工学会第176回全国講演大会(Web),講演概要集,pp.193
    5. 日本鋳造工学会第176回全国講演大会にて講演発表
    6. 鋳造と摩擦攪拌プロセスを組み合わせた厚板接合方法,日本鋳造工学会第176回全国講演大会(Web),講演概要集,pp.196
    7. 解説論文
    8. 鋳造と摩擦攪拌プロセスを組み合わせた肉盛り方法,日本鋳造工学会中国四国支部会報誌こしき,No.44(2022),pp.69-73


    この研究は,競輪の補助(2019M-183)を受けて実施しました.
    https://www.jka-cycle.jp

極薄板突き合わせ摩擦攪拌接合法の開発に関する研究(公益財団法人JKA平成29-30年度機械工業振興補助事業)

    研究目的

    本研究の目的は,摩擦攪拌接合において実施が困難な極薄板の突き合わせ接合プロセスを確立することである.この接合プロセスは,接合材料の固定用として摩擦攪拌点接合を,実際の接合部形成用として摩擦攪拌プロセスを組み合わせるため,ツールおよびプロセスに関する最適条件の検討を行い,技術開発手法を確立する.

    実施内容

    摩擦攪拌接合により極薄板の突き合わせ接合を達成するための基礎的な調査として,本研究ではその可能性を十分に示すことができたと思われる.まず,本手法を確立する上で必要な,使用ツールでは,短プローブツールであっても適用は困難で,提案するようなプローブを有しない球面状ツールが有効であることを明らかにした.その際の接合条件として,球面状ツールでは一般的では無い前進角の付与や裏当て材の適正な選択が重要であることも明らかにした.これらを適正化することにより,通常では問題となる摩擦攪拌接合により板厚が減少する問題も,材料の排出が少ない特徴を有する本ツールを用いることによって,非常に小さく抑えられることが示された.さらに,本ツールを使用して適切な条件で接合を行った際には,変形やバリの形成も低く抑えられることを明らかにした.その結果として得られた突き合わせ継手は,母材と同等程度の機械的性質を持つことが示された.また,摩擦攪拌接合により板厚が減少することに対応するため,重ね合わせ接合のようにして突き合わせ継手を摩擦攪拌プロセスについても検討を行った.しかしながら,その良好な可能性を示すことはできたものの,単純接合での突き合わせ継手の結果が予想以上に良好な結果を示したことから,逆に,球面状ツールを適正使用した場合の有効性が強く示唆された結果となった.これらのことから,本手法により極薄板の摩擦攪拌接合による突き合わせ継手作製への適用性を示した.よって,本手法の基礎的な知見については明らかにすることができたものと考えられる.

    取得物件

    ビッカース硬さ計ビッカース硬さ計
    高速度カメラ高速度カメラ

    予想される実施効果

    本研究で着目した手法は,接合品質は高いが薄板接合が困難な摩擦攪拌接合の問題を解決する一つを示したものである.また,本手法の特徴は,摩擦攪拌接合で一般的なプローブ付きツールでは無く,突起部を有しない球面形状の接合ツールを用いることで薄板摩擦攪拌接合の問題点を克服するものである.このことは,特別な機器等を用いることなく,ツールを変更するだけで実施できることで一般化が可能な点に優れる.本研究の結果から,提案した手法の有効性を示すことはできたように,これまでほぼ不可能と考えられていた薄板摩擦攪拌接合も可能であると示した意義は大きい.加えて,従来からの共同研究先企業とも特許申請を行い,基礎的な知見の権利化にも発展したことから,今後予想される効果として,本研究の結果は,将来の高品質化を目指す上で必要不可欠となる基礎的な知見となる可能性が極めて高いと思われる.

    成果発表

    本研究に関連する成果発表は以下の通り.(平成31年4月末現在)
    1. 近畿大学工学部研究公開フォーラム2018にて成果をパネル発表
    2. 展示パネルはこちら
    3. 溶接学会平成30年度春季全国大会にて講演発表
    4. 摩擦攪拌接合による薄板の突き合わせ接合,溶接学会春季全国大会(東京),全国大会講演概要第102集,pp.54-55
    5. 溶接学会平成30年度秋季全国大会にて講演発表
    6. 摩擦攪拌接合を用いた選択的肉盛法,溶接学会秋季全国大会(北九州),全国大会講演概要第103集,pp.134-135
    7. 溶接学会平成31年度春季全国大会にて講演発表
    8. 薄板の板厚を維持した突き合わせ摩擦攪拌接合,溶接学会春季全国大会(東京),全国大会講演概要第104集,pp.130-131


    この研究は,競輪の補助(2017M-146)を受けて実施しました.
    https://www.jka-cycle.jp